「基盤は整いつつあります。ここからはさらに手練れの猛者たちを集め、組織として変革していくのみですね」
そう語るのは、2025年5月にFUSIONにジョインし、執行役員兼コーポレート局長を務める川端大介さん。現在、ノバセルグループ参画後のPMIを牽引しています。
フードサービス企業で未経験から人事部の立ち上げを経験後、上場会社、ベンチャー/スタートアップ企業を渡り歩きながら、人材開発、組織戦略や経営管理を牽引。「ヒト」と「経営」の両視点を持って、会社経営に携わってきました。
そんな彼が次のキャリアに選んだのは、ノバセルにグループインする直前だった株式会社FUSION。「広告業界には行く気がなかった」とまで思っていたところから、あえて「広告代理店」であるFUSIONに飛び込んだのはなぜだったのでしょうか。その背景に迫ります。
川端大介
株式会社ゴルフダイジェスト・オンラインにて採用・人材育成・組織開発など人材開発機能を歴任。その後、株式会社Fablicにて人事部門の立ち上げ、組織変革に寄与。2018年より株式会社nana musicに参画。人事及び、経営管理管掌の執行役員、デジタルレーベル事業の管掌として管理、事業の両側面から会社経営を牽引。その後、イタンジ株式会社経て、現在は、執行役員兼コーポレート局長としてノバセルグループジョイン後のPMIを牽引。
未経験から始まった人事キャリア。経営と人事の両視点を持って企業成長に伴走する存在に
——川端さんはこれまでに数多くの場所で人事領域に携わられてきました。人事領域に足を踏み入れたきっかけはなんだったのでしょうか?
川端さん:
実はもともと映像制作を志して上京してきました。でもそれだけでは生計を立てるのが難しく、当時アルバイトをしていたのが飲食店を展開する企業で、その会社で人事機能を立ち上げたのがキャリアのスタートです。
当時、上場した直後でフランチャイズ含め、多店舗展開を進めていた時期でしたが、人事機能を強化しなければいけないものの総務部しかない状況で会社に人事部門の立ち上げを打診されたのがきっかけです。当初しばらく映像関連と人事業務を並行していましたが、人事の道に覚悟を決め、一本化しました。
アルバイト採用から社員採用、育成、研修、評価制度の構築など、一通りの業務をすべて担うことになったのですが、完全未経験だから右も左も分からない。ロールモデルがいない中で、モチベーション、気合いと根性だけを強みに、外部の経営者や専門家の知見をお借りしながら、PDCAをひたすら回す毎日でしたね。今思うとバイタリティの塊でした(笑)
——完全未経験から人事のキャリアをスタートされたんですね。
川端さん:
そうなんです。ちょっと変わった始まりですよね(笑)。
ただ、どうしても我流だと限界があり、次第に自身の成長実感に行き詰まり、鈍化を感じるようになりました……。
同時に、当時から外食産業は人の入れ替わりが激しく、外部の方と壁打ちする過程でも業界やフェーズに合った施策を考えなければ定着してもらえないことを実感していました。でもそのためには、まずは「人事」としての基礎・イロハ(土台)を徹底的に学ぶべきだと。
そこで、新たな成長機会を求めて、採用・人材育成・組織開発などの人材開発機能をイチから経験できる株式会社ゴルフダイジェスト・オンラインに転職しました。ここでは、自身の「人事」としてのベーススキルを改めて培うことできたと思います。
——その後、2015年には日本初のフリマアプリ『FRIL(フリル)』を運営していたFablicに、2017年には株式会社nana musicへとジョインされています。その背景についても聞かせてください。
川端さん:
私が初めてスタートアップフェーズの企業にジョインしたのがFablicでした。このときはガラケーからスマホへの移行期で、アプリ開発を中心としたスタートアップ企業が台頭し始めていた時期。同時に、人事予算や配置が上層部の権限によって決まる大企業において、自身の裁量に限界と自己成長スピードの鈍化も感じていたタイミングでもありました。
そこで「これまでの経験をこれからの会社に寄与したい」という想いから、Fablicにジョインすることに決めました。また、これまでになかったサービスを世に生み出す、といった事業開発の面白さに惹かれました。
Fablicでは人事責任者として、ゼロから人事部門の立ち上げを担当。組織の目標管理手法がMBO(目標管理制度)が一般的だったところから、当時まだ日本企業には導入例のあまりなかった、「OKR」やGoogleが実践していた「構造化面接」の導入などにチャレンジしました。
その後、バイアウトを経てPMIが落ち着いたころに、「ちょうどDMMにバイアウトしたタイミングで、PMIについて右も左もわからないから助けてほしい」とFablic時代の同僚から声を掛けていただき、音楽コラボアプリ『nana』を運営する株式会社nana musicへジョインしました。
当時、nana musicはDMMグループの一員ではあるものの、子会社単体としてのカルチャーや経営の自主性を尊重してくれる関係であったため、独自の制度や仕組みを構築し、事業を成長させる余地がありました。ここで経営管理兼CHROとしてPMIに携わり、後に、デジタルレーベル事業を新規事業として立ち上げ、経営管理/CHROと並行して管掌していました。
ここでの約8年間がこれまでの「人事」だけでなく、経営としての役割、責任を持つことで視座も上がり、全体の最適解で会社のリソースを捉えられるようになりました。時に経営状況の悪化から人員整理という血の滲むような意思決定もしてきましたが、会社経営のハードシングスを経験し、組織の在り方、コミュニケーションの重要性、信頼関係を築くことの難しさを痛感しました。
その後、イタンジ株式会社を経て、2025年5月からFUSIONに参画しています。
『夜明け前が一番暗い』、FUSION変革のリアル
——次の場所になぜFUSIONを選んだのですか?
川端さん:
代表の前田の生き残りを賭けた経営者としての強い想いとそのポテンシャルに惹かれたからです。
私がジョインしたのは、FUSIONがイグジットの選択肢をさまざま模索しているタイミングで前田が非常に大きな決断を下そうとしていた時期です。
これまでの会社経営を通じ、様々な責任を負う創業者や経営者が弱音を吐けない現実を多々見てきました。リスクを負いながら、すべて自分が決めなければいけない。そんな厳しい状況の中でも、前田は「バイアウトさせるところからサポートしてほしい」と、私に真っ直ぐな本音を打ち明けてくれました。
会社として経験したことのない領域への挑戦ですから、当然ながら前田も未来が見えないなかでの決断で不安もあり、リスクを伴う意思決定でもあったと思います。それでも彼は本音を伝えてくれた。その“覚悟”で入社を決めました。
『夜明け前が一番暗い』だからこそチャレンジしたい、と思わせてくれました。
実はこれまでビジネスモデルへのフィット感などの面から、個人的には広告業界は向いていないと避けてきた感じがありました。でも、前田の覚悟と、このヒリヒリした環境こそ、これまでの組織改革やPMIに携わった経験が活きる、と。
現在は、執行役員兼コーポレート局長としてノバセルグループジョイン後のPMIを牽引しています。
——FUSIONのさらなる挑戦を第一線で牽引されてこられたんですね。組織の変化についてどう感じていますか?
川端さん:
そもそも私がジョインする前は、目の前の業務の進捗に追われ、メンバーが「自分は何がしたいのか」を考え、キャリアパスを考えることや、設計する余裕もなかったと思います。
スタートアップによくあることですが、社員数が増えて創業者だけでは全員を見きれないフェーズになってきており、そろそろ経営陣が事業やマネジメントにコミットできない状況でした。
個人の経験値やリーダーシップだけに頼ったマネジメントでは組織の一体感は失われ、事業進捗や成長スピードは鈍化します。そこでこれからの飛躍を見据えて、前田をはじめ創業者の価値観や思想を引き継ぎながら、部門型のマネジメント体制を再構築し、部門内での権限委譲を進めました。
ノバセルグループにジョインした今、FUSIONはどんどんイノベーションしている過渡期にあります。もともと、戦略として創業当時からプロパー中心の組織構成でしたが、第二創業期を迎えた今、プロデューサーの小林など各業界の経験者、猛者たちがFUSIONに集まってきてくれています。
若手のエネルギッシュなメンバーと我々、場数を踏んだ経験者がまさに“フュージョン”することで、これからの新しい価値提供ができる、可能性しかない会社だと感じています。
選択肢が増えた今、より新たなことに挑戦し続ける「プロフェッショナル」な集団へ
——“手練れの猛者”たちが集まる組織。第二創業期に突入した今、具体的にはどのような組織にしたいですか?
川端さん:
ここから新たに基盤/土台から創っていくフェーズなので、意思があれば自由と大きな裁量権が持てると思います。ノバセルにグループインしたことで企業としてチャレンジできる幅も広がったため、今のFUSIONは「なりたい姿」を叶えられる環境です。そうしたノバセルのアセットを使いながら自己研鑽することでシナジーが生まれ、個人の成長が企業の成長に繋がっていくと考えています。それがグループとしての「総和」を増やすことに繋がると思います。
また、平均年齢28歳の若い会社だったところから、キャリアが長く経験豊かなメンバーたちもジョインしてくれたことで、新卒も、中堅も、マネジメント層とそれぞれの知見を共有しながらチームとして成長できているとも感じていますね。一企業としても、組織としても選択肢が増え、新たなことに挑戦しやすい連鎖が起きていると思います。
——ここから企業としてさらなる加速をしていくため、新たな仲間が集まってきているタイミングでもあるんですね。
川端さん:
そうですね。FUSIONの経営陣として、そして複数の企業で人事・経営管理を経験してきた身として思うのは、やはり企業の成長を支えるのは「ヒト」だということです。
レガシーさと先進性の両側面を持つ広告業界において、FUSIONは常にチャレンジャーであり続けたい、そしてここからさらに新たな戦い方を模索していくタイミングだと思っています。そんなダイナミックで激動なフェーズを一緒に楽しみながら、プロフェッショナルな仕事ができる仲間が必要です。
こうした働く社員の等身大のインタビューをはじめ、グループインを経て、第二創業期を迎えた今の環境と、そこで挑戦し続けている人間の“ありのまま”を伝えながら、志を分かち合える、背中を預けられるような、そんな新しい仲間に出会えたらと思っています!
——そんなFUSIONでどんな人と一緒に働きたいですか?
川端さん:
主体的にオーナーシップをもってチャレンジできる方ですね!過渡期だからこそ、経験値が積める環境なので、ご自身のキャリアビジョンが明確にある方には最適な環境だと思います。「生みの苦しみ」はありますがどんどんチャレンジできる環境につき、上昇志向のある方にぜひ来ていただきたいです。
裁量権が大きいぶん、意思決定することのやりがいと苦しみはあると思いますが、私をはじめサポートできる体制は整っているので、ビジネスにおいて価値を高めたいプロフェッショナルな人材が集まってくれると嬉しいなと。遠慮せず門を叩いてほしいと思います。
まさに、迷わず「見る前に跳べ」ですね。
——最後に、川端さんの今後の展望を聞かせてください。
川端さん:
例えば、退職してもFUSION出身の人材は優秀だよね、と言ってもらえるような人材を輩出できる企業文化の醸成やそんな会社作りにチャレンジしたいですね。
転職しながらキャリアを積むことが当たり前にもなりつつある今、「自分がこれまでで何ができるようになったのか」「積み上げてきた数字にどんな根拠があるのか」を自覚して言語化できる人材はどんな環境に行っても強い。そんな優秀でプロフェッショナルな人が集まる組織は、企業も自ずと成長すると思います。
FUSIONの経営陣として、常に自分の存在意義を考え、キャリアビジョンを明確に持ちながら挑戦していける人材を育てていきたいです。
(取材・執筆=おのまり(@onomari_kor)/撮影=山本良奈)

